左腕で描いた絵 - part 2

今回の絵について 

以前、2021年6月の末頃だったでしょうか、このブログ上に「左腕で描いた絵 - part 1」という記事を書きました。それからおよそ9か月以上の時間が経ってしまいましたが、今年、2022年の3月末にその続編のような絵を自分なりに形にしましたので、新しく記事にしたいと思います。

今回描いた絵のタイトルは「左腕で描いた絵 - part 2」というものになります。

自分の右半身麻痺について

一応、part 1の時にも記事冒頭に書いたのですが、今回も事情が分からない方のために少しだけ説明をさせてください。

自分は2019年7月に脳出血を患って、左被殻出血からの右半身麻痺となりました。利き腕であった右腕も動かなくなり、同時に右手を使った絵も描けなくなっています。

なお今回は、簡単ですが自分の身体障害者手帳のデータの切り抜きのようなものを作ってみました。Web掲載用ということでデータの個人情報部分はマスキングしてあります。

というわけで現在は、作業時間は少しかかってしまいますが残された左腕と、キーボードとマウスをペンの代わりに使用しながらPCのディスプレイ上に絵を描いているわけです。

絵を描いている道具など

これも以前の記事に書きましたが、自分の場合、右半身麻痺になった後に残された左腕では、ペンタブレットなどの絵関連の筆記用デバイスを使うのがどうしても上手くいきませんでした。結局、自分の左腕、それにPCおよびマウスとキーボードを道具として使用して、絵を形にしています。

使っているPCは、2012年ぐらいに購入したHP社製の(プロセッサはIntel(R) Core(TM) i3-3220 CPU @ 3.30GHz、メモリ8.0GBです)古いデスクトップ型マシンを使っています。

絵を描くためのPCソフト(画像編集ソフト)の主な物としては、Adobe Photoshop Elementsのバージョン11.0を使用しています。これは、2012年にPCと一緒に購入したペンタブレットに同梱されていたものになります。

今回参考にした古いモノクロの写真

今回、part 1 の時とは違い、part 2 では古い写真を参考用として見る形で絵を描いています。トレスに近い形で写真を下書き用のガイドとして使用するということは今回は行いませんでした。参考用の写真が複雑な部分もあり、これを下書き用のガイドとするのはあまり上手くいかないなと考えたからです。

part 1の参考写真と同じく、写真の撮影者は自分の父親です。被写体はやはりpart 1の時と同じく自分になります。年齢が3歳か4歳か5歳ぐらいか、はっきりとわからないのも前の時と同じです。

それでは、とりあえず参考にしたモノクロの写真のデータをご覧ください。

ブログに掲載した写真データの、顔の方は白い色のマスキングで隠しました。

それから絵の中に描いてある簡略化した顔ですが、実際の自分とはまったく違う記号的な顔を、何かキャラクター的な形として絵にしてみた、そういうものになっています。

今回の場合の、絵の線について

前回の絵を描いた時の自身の反省点として「整理整頓ができている上品な線という印象はあるのだが、反面なんとなく線にあまり抑揚が無いという風にも思える」というものがありました。

その反省をふまえた上で、今回は自分がマウスで描く絵の線になんとなく抑揚を与える方法を考え、実際にマウスで作り出す疑似的なペンタッチとして絵の中で使用してみました。Adobe Photoshop Elementsのバージョン11.0と普通のマウス(ELECOMのM-BL24UBという型番のものです)を使った、仮想ペン線の作り方と言えそうな方法です。

もっとも、現在の自分は左手でペンタブレットを使ったりできないので、この方法を使用しているのですが、普通にペンやペンタブレットを使えるような環境の場合には、あまり必要はない方法だと思います。

仮想ペン線の簡単な図解

Adobe Photoshop Elementsのバージョン11.0の場合は「編集(E) → 選択範囲の塗りつぶし(L)」というコマンドを使用します。他の画像編集ソフトでも同じようなコマンドがあると思います。

コマンドを「選択範囲(S) → 選択を解除(D)」と選びます。これによって仮想のペン線を作ることができると思います。

今回のまとめのようなものとして

この絵を描く時の参考にした古いモノクロ写真ですが、ちょっと奇妙な郷愁・趣(おもむき)と呼ぶべきでしょうか、そういったものが感じられ、私にとって好きな写真となっています。

写っているのは小さいころの自分であるのですが、それにもかかわらず、『いったいここはどういった異次元の土地なんだろう』とか、『こうして峠のような場所に立っていると、やがて別の惑星の人がやってきて、自分を客人としてどこか遠くの惑星へ連れて行ってしまうのだろう』とか、そういう不思議な気持ちが浮かんできます。あったのか、なかったのか。いや当然ながら実際には存在しなかった思い出のひとつだろうけれども。

この写真を見ていると、そういう奇妙な質感を持った郷愁が頭に浮かんでくるのでした。

と、いったところで今回は終わりにしようと思います。ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。それではこの辺で、失礼します。

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