想像の1970年代 - Imaginary 1970s

様々な色彩のもとに想像する1970年代の夜景 

2012年にある雑誌に掲載された、空想の1970年代を舞台にした自作の読切マンガから、以前もやったようにひとコマ抜き出し、できる範囲で色彩を加えてみました。今回は夜の景色、いわゆる夜景です。作業期間はだいたい2020年の12月中旬から下旬という感じになりました。

いつものように右腕を動かす事はできないため、作業は左手とPCおよびマウスを使って、絵を改造するような形で着色や修正などを行っています。

色合いですが、とりあえずあまり色に調整を入れない形でファイルをひとつ作ってみることにしました。全体的に明るい夜という感じの絵です。

つぎに別のパターンとして、大きな電飾看板のような構造物を明かりの中心っぽく想定し、他のものはシルエットに近づいた色合いであると仮定して画面を作ってみました。

なお実際の1970年代に、いわゆるネオン管とはまた違う電飾看板のような構造物が、この絵のような形で存在していたかどうかは曖昧というか、不明です。

この記事のタイトルにある『想像の1970年代の夜景』という言葉通り、あくまで想像上の1970年代として空想した虚構(フィクション)を作ったという事をご理解してくださって、曖昧な空気感を楽しんでいただけましたら幸いに思います。

ただ、空想した虚構の中で一部「虚構とは違う物」を入れておく、という事を自分は話を組み立てる上で時々(でもないかな・・・まあ、ごくたまにだったかも)やっています。

たとえば、上記の空想の電飾看板を絵にする中で、入れておいた「虚構とは違う物」とは何か。この場合は一つ確実に実在していた「虚構とは違う物」がありました。『オフコン』という名前の機械が、この場合に於ける実在物です。

この読切マンガを描いた2012年の頃ですが、自分はこの『オフコン』の1970年代型が大変面白いなあという、いわゆる興味を持って見ていました。

オフィスコンピュータ

『オフコン』とは、『オフィスコンピュータ』という言葉を略した物です。ではその『オフィスコンピュータ』とは何か、Wikipediaにある「オフィスコンピュータ」の項目から2点引用して説明になりますでしょうか、とりあえずやってみます。まずそもそもの前提として、項目の最初の文章から。

オフィスコンピュータ(略称:オフコン)は、主に中小企業等での事務処理を行うために設計された、比較的小型のコンピュータ。主に日本のみで使われる呼称で、海外ではミニコンピュータ、ワークステーション、ミッドレンジコンピュータなどと呼ばれるコンピュータの一形態で、各メーカーによる独自設計が用いられていることが特徴である。

『ウィキペディア(Wikipedia)』オフィスコンピュータより引用。

つぎに項目「歴史」から、少々長くなってしまいますが、1959年から1960年代および1970年代に触れている文節3つです。

1959年、会計用機械を輸入販売していた日本事務器が電子会計機の国産化をNECに依頼した。NECは既に実績のあるパラメトロンを使用したNEAC 1201を開発し、1961年にリリースした。当時、日本事務機が唯一の販売代理店であった。これは好評をもって迎えられ、NECは1964年に後継機のNEAC 1210をリリースすることとなる。

NECの独擅場であったオフィス用小型コンピュータの市場だが、1965年、富士通がFACOM 230/10を投入。これは日本語COBOLを利用できるトランジスタ式コンピュータであった。また同年、日立製作所は独自OSのHITAC-8100を発売した。対するNECは1967年、ICを全面採用したNEAC 1240を発表。1968年には東芝 (TOSBAC-1500)、三菱電機 (MELCOM-81)、内田洋行 (USAC-300) などが製品を投入し、オフィスコンピュータ市場は一気に活況を呈することとなった。

1970年代には、販売管理、財務管理、人事給与など本格的な事務処理機能を備えたオフィスコンピュータが登場するようになった。特に1974年のNEAC システム100がオフコンの名を定着させた。

『ウィキペディア(Wikipedia)』オフィスコンピュータより引用。

このようにパソコンが登場する前に、比較的小型のコンピュータとして1970年代にはすでにオフコンという存在があった、という事がなんとなくでもわかっていただけましたでしょうか。

たとえばこのようなオフィスコンピュータ事情(昔はWikipediaをそんなに見てなかったと思うから、何か書籍の情報とかそういうの)をとっかかりとして、2011年から2012年にこのマンガを作っていた自分は、色々と想像を膨らませて絵などを作っていったわけです。

この「比較的小型なコンピュータ」とされる1970年代型のオフィスコンピュータですが、これが私達が想像するよりずっと大きいという事がわかってくると、自分的にはさらに機械として面白い存在になりました。

この辺りは電子楽器でいうところの初期型シンセサイザー(いわゆる通称「タンス」といわれていた、洋服タンスのような大きな機械です)や、1960年代から1970年代のテレビや映画の特撮作品、そこに登場するたとえば秘密基地などの撮影用セットなどに共通する独特の味わいがあるのではないか、と思っています。興味がある方はオフコンのWikipedia、そこの外部リンクから行けるサイトにある様々な資料、特に1960年代や1970年代のオフィスコンピュータの写真などを、ぜひご覧になってみて下さい。

で、あちこちに膨らませた想像のベクトルのひとつの方向として、たとえばこのオフコンを宣伝する大きな電飾看板が、ビールやテレビの電飾看板のとなりに並んでいたとしたらどうかと考えたりしながら、重ねて言いますが、マンガを作る作業をすすめていきました。

といったところで

今回の自分の絵についてのあれこれ、というような話は以上になります。オフィスコンピュータ関連とか機械類の話はまた機会を見つけたらこのブログ上で、できる範囲で何か書いてみたいとも思います。

それでは、今日はこの辺で失礼させていただきます。最後まで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。

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