Winter in back alley
この絵について
ある雑誌に掲載された『爪と銃弾』という読み切りのマンガの中に描いた絵です。いわゆる狼男の存在をモチーフとして扱ったマンガでした。
よく言われる事ではありますが、昔から狼男というジャンルまたは説話には、基調低音として隠し持っているもの、ある種のエロスが含まれていると自分も思います。
一時期の狼男ジャンルの映画(たとえば『ハウリング』『狼の血族』ポール・シュレイダー監督版『キャット・ピープル』『狼男アメリカン』など、これにもしかしたら『アルタード・ステーツ』とジョン・カーペンター監督版『遊星からの物体X』を加えていいかもしれない)は、そのある意味で皮に包まれていたエロスを、特殊メイク技術による人体の変形描写を使用しておそらくは自覚的に、" 目に見える暗喩 " として剥き出しにしたのではないかと感じられ、これは絵によって何事かを語る行為として非常に同調できるものでした。要するに同様のものを自分はマンガで描いてみたい、と思ったわけです。
人が種族保存の本能によって経験してしまう肉体のある一部分の、制御困難な快楽を伴いながらの変形(または変身)と、それに対するとまどいやおそれ、そしてそれを解放してしまう事への背徳的な欲望と、相対する規範(モラル)との葛藤などを、多少エロティックな描写も含めてこのマンガの中で描こうと考えたのでした。
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