The mankind of other planets part6
その昔、ある雑誌にあるマンガを連載するその前に、その前提となる読み切りマンガを描いた事があります。時期はおそらく2008年頃だったんではないでしょうか。
その後、確か2010年ぐらいに、このブログに載せるためにそのマンガの中からひとコマを抽出し、PCで加工した画像として疑似的な着色画像への変換を行いました。その絵の当時の完成した形としては、下のデータのようなものになっています。
それではここで、2020年においてこの記事の文章のリライトを行いながら、記憶している2010年頃のPCでの加工作業の過程を、ざっくりとですが書き出してみようと思います。ただ、そんなに遠くない過去をめぐる回顧趣味の部分が大きいので、実用的な部分はあんまり無いかなあ、という事をご理解いただければ幸いです。
加工作業の概要
加工には画像編集ソフトを使いました。この場合は「Photoshop Elements」の2007年ぐらいに出ていたバージョンを使用したと思います。使っていたPCはWindowsのXP、そのスペックのあんまり良くないラップトップ型のものを使い、周辺機器としては、これも当時としてはあんまりスペックの良くない複合機のスキャナを使っていました。そんな話も含めて、2010年の自分のPC周囲の機械関係は、そろそろ古くなって遅くなるサイクルに入っていたような印象があります。
それで、まずは手で描いた実際のモノクロ原稿から、スキャナで絵のデータをグレースケールの形でPCに取り込む事からはじめました。そうやって作ったデータに、そのままグレースケールで人物のディテールなどの中間色を入れていきます。
このデータのもとになったモノクロ原稿では、手作業で原稿に貼り込むタイプのスクリーントーンを使っていませんでした。ですからスキャナで取り込んでデジタルのモノクロデータにしてからは、グレーの階調を使い、何かモノクロ映画のスチル写真をつくるようなつもりで、データに何色かのグレーを置いていきます。
この頃は(たぶんだけど)ちょっと変な方式で色の置き方をやっていて、各グレーを置いてゆくレイヤーは乗算レイヤーにしておいて、線画レイヤーは透明化はせずに一番下にして使用していました。グレーの色数としては4色から5色ぐらいで、そんなに多くなかったと記憶しています。
次にこのデータを画像編集ソフトでRGBモードに変換し、カラー画像のデータとして扱えるようにします。それでまたこれも変なやり方ですが、絵そのものは1枚のレイヤーにまとめてしまって、色調整を全体の調子を見ながら一気に行うという事をしていきます。
一応説明しますと、モノクロ原稿からスキャナで取り込んだ絵を加工する場合に当時の自分は、疑似的な色付けという事で初めにグレースケールで色の並びを作って、そのファイルをRGBモードに変換してから、何か1種類の色のグラデーション色調に置き換えて調整する(Photoshop Elementsの場合は「色相/彩度」ツールの中の「色彩の統一」というチェックボックスをポチっとやって使います)という事をやっていました。たとえばこの記事の絵の場合は、グレーの色を置き換えるのに緑系の色のグラデーションを使用しています。
この方法は2010年ぐらいまでは時々やっていたのですが、それ以降はなんとなく、あんまりやらなくなってしまいました。
ところで、絵の中の描き文字に赤系の色が入っていますが、実は描き文字に目立つような色を置くというのは、加工作業の最後の頃まで思いつきませんでした。他の色が決まったあたりの段階で、文字の中に赤色を加えるという事を考えて、レイヤーを作り実際にやってみたという次第です。
この時のjpg
この絵の場合に覚えているのは、だいたいそのような事でしょうか。なおブログに載せるためには、Photoshopのファイルをjpgやpng、あるいはgifのデータに変換しますが、当時きれいなjpgに変換する事に、自分はあんまり気を使いませんでした。
ですから2010年に、そんなに万全では無いjpgを作ってしまい、ファイル名も何か適当そうな『m_m.jpg』という名前をつけてしまって(大体このファイル名も、どうしてこの名前にしたのか覚えていません)以来ほぼ10年間。10年の間にこのjpgを作るもとになったPhotoshopのファイルもどっかへ行っちゃって、かといってjpgとして新しく作り変える事も無く、『m_m.jpg』という適当名をつけ変える事もせずに、「ずっと万全では無いjpgでいる」というこのファイルは、まるで『The mankind of the other planets part6』というこの記事の中に、根っこを生やして住んでいる一種の『植物型プログラム生命体』なのかもしれないとか、何かそういう風にも思えてきます。いや、半分以上冗談ですが。
それはともかく、2020年にこの記事をリライトするに当たっては、ノイズをとるソフトウェアを使ってみてもまあ良かったんですが、ノイズリダクションをかけてみた所、背景の白ブラシ風の部分が何かちょっとパターンぽい模様になって出てきてしまい、あんまり具合がよろしくないなあという事で、今回は残念ですが使用しませんでした。
ノイズの乗った、いかした古いエンジン
で、まあそんな事も含め、これも2020年の『それほど遠くない過去』のひとつという事で、ちょっとノイズの乗っかった『m_m.jpg』を古いエンジンに使って、2010年という所をゆっくりと旅してみた感覚になれたらいいんじゃないか、というような事を考えながらこの記事のリライト作業をやってみたわけです。書いている事が、自分でもよくわかんなくなってきましたが。
それではそういったところで、今回はこの辺で終わりにしようと思います。ここまで読んでいただいた皆さん、どうも本当にありがとうございました。
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