omake - page17

マンガ『omake』の第17ページ。

付録テキストでは、時々昔やっていたサイト『lowfai』の記事などの再掲載をしています。

今回も2003年の「notes」の記事からです。

2003年6月2日 工場音楽

(以下、2003年の文章を再掲載します。)

子供の頃、住んでいたアパートの隣は、大量生産の家具を作っている大きな工場でした。

時々中を覗いては、大きな木材や合板が、ベルトコンベアーに乗っかって巨大な丸鋸で製材されている様子や、 どこから吹き出ているのか判らない蒸気が立てる独特の音などを、ずーっと見たり聞いたりしていました。

はたから見たらヘンな子供だったろうと思います。

おそらく小学校の2年か3年だったかと思いますが、その頃から工場の機械とか、工場がたてる音とか、そういうのが大好きでした。

1980年代のイギリスに、ニューウェーブという音楽の流行があって、その中の、おそらく傍系の流れで、インダストリアル・ミュージックという音楽ジャンルがありました。

まだサンプリングマシンとかが巷に流通していない時代に、テープ編集や、リズムマシンのトリガーに同期させたシンセサイザーのノイズ等で、 ちょっと工場の騒音を思わせるような曲を作っていたミュージシャンの一派がいたのですが(キャバレー・ボルテールとか)、 そこら辺の音楽が自分にとっては子供の頃の郷愁込みで、とても馴染みやすい音楽でした。

で、話は突如ごく最近に飛ぶのですが、資料集めにCD屋の現代音楽の棚を眺めていて、ちょっとタイトルにひかれて買ったアルバムがありました。

『1920年代のアバンギャルド』って書いてあったのですが、その中の一曲にモソロフというソ連の作曲家が書いた“鉄工場”という曲があって、これが・・・

すげーカッコいい曲でした。YMOのテクノデリックのような、機械の反復音でリズムをガッシャンガッシャンきざむのを、大編成のオーケストラでやっている。 巨大な人力テクノです。

加えて途中で、沢山の鉄板らしき物をガンガゴぶったたいている音が入って、これはもう、ちょっとパンクに近いです。あるいはノイバウテンやテスト・デプトとかの、鉄パイプとドラム缶でガンガゴガンガゴやるノイズ系の音楽に近似している。

思わぬところで拾いモノの曲にめぐり合えて、うれしかったのでつい、長文を書いてしまいました。

(再掲載おわり。)

以上です。自分的には、今回は文体が稚拙な気がしてちょっと恥ずかしい気もしますね。ともかく、ご静聴ありがとうございました。

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